―あいつのハートを撃ち抜けるのは俺だけだ―
脱走の罪を許され、公安第四係に配属された≪ゴールデンビッチ≫ことクラウディア。
大吾への愛は純粋だが捜索方法は相変わらずで……!?
わんこシリーズ4冊目は、
「ゴールデンビッチ」というコードネームを持ったクラウディアという名の
それはそれは純粋で美しいけれども人でないものと、
その主でありヒギンズ教授でありスナイパーの恋人・大吾の
盛大な痴話げんかと仲直りのお話でした。
わんこ、というのは、
警察犬の能力をその遺伝子に組み込まれて造られた人造人間です。
警視庁に納品され、生涯ただ一人の主に忠誠を誓って生きていく、
そんな健気な生き物です。
とりあえず読者に知らされているわんこは今のところ3人で、
(同人誌発表のものを入れると4人ですが)
それぞれに主と恋に堕ち、紆余曲折を経た結果、
愛に包まれた毎日を送っているようです。
実は主たちもそれぞれに抱えきれない重い過去を引きずっていて、
わんこを愛することで救済される部分があり、
その辺がこの物語の主軸になっています。
誰かを愛することで救われたい、優しいぬくもりに体をゆだねたい、
だが自分にそんな資格があるのか、幸せになっていいのか、
主たちはいつでもそんなふうに自問自答しています。
ともすると足元にぽっかり空いた暗闇に落ちそうになる主に、
わんこたちはいつでもまっすぐな忠誠と愛を注ぎ続けます。
そんな健気なわんこに、主は恋をしていくのです。
その過程が、ほんとうに細やかに描かれています。
わんこたちの健気さには、毎度毎度泣かされっぱなしです。
また、脇役もそれぞれに癖があったり、
物語の水面下でまだ明かされていない秘密が静かにたゆたっていたりもします。
1冊限りのラブロマンスでは到底ありえない、
そういう部分もシリーズに厚みを生んでいます。
大吾はシリーズ屈指のクサいセリフを言う男前、
クラウディアはおてんば問題児。
痴話げんかしてビル壊して(今回は倒壊してないけど)愛してる、
というこのめちゃくちゃなカップル、
実は脳内でこにじゅん再生余裕です(笑)。
前々から臭うと思っていた人が黒幕ビンゴ、
さて次はどんな展開になるのやら。
待ち遠しくて気が変になりそうです……
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テーマ:腐女子の日記 - ジャンル:アニメ・コミック